○長生郡市広域市町村圏組合消防職員ストレスチェック実施規程
平成28年11月28日
訓令第24号
(趣旨)
第1条 この規程は、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「法」という。)第66条の10に規定する心理的な負担の程度を把握するための検査等(以下「ストレスチェック」という。)を長生郡市広域市町村圏組合消防本部(以下「消防本部」という。)において実施するに当たり、その実施方法等に関し必要な事項を定めるものとする。
2 ストレスチェックは、この規定に定めるほか、労働安全衛生法その他の法令の定めによる。
(適用範囲)
第2条 この規程によるストレスチェックの対象は、消防本部に勤務する職員(以下「対象職員」という。)とする。ただし、他の地方公共団体への派遣、研修、留学その他事情によりストレスチェックの実施が困難である対象職員については、ストレスチェックの対象外とすることができる。
(制度の趣旨等の周知)
第3条 組合は、ストレスチェック制度の趣旨等として次に掲げる事項を対象職員に周知する。
(1) ストレスチェック制度は、対象職員自身のストレスへの気付き及びその対処の支援並びに職場環境の改善を通じて、メンタルヘルス不調となることを未然に防止する一次予防を目的としており、メンタルヘルス不調者の発見を一義的な目的とはしないこと。
(2) 専門医療機関に通院中などの特別な事情がない限り、全ての対象職員がストレスチェックを受けることが望ましいこと。
(3) ストレスチェック制度では、ストレスチェックの結果は直接本人に通知され、本人の同意なく消防本部が結果を入手することはないため、ストレスチェックを受けるときは自身のストレスの状況等をありのままに回答することが重要であること。
(4) 本人が面接指導を申し出た場合又はストレスチェックの結果の消防本部への提供に同意した場合に、消防本部が入手した結果は本人の健康管理の目的のために使用し、それ以外の目的に利用しないこと。
(ストレスチェック制度担当者)
第4条 ストレスチェック制度の実施計画の策定及び計画に基づく実施の管理等の事務は、消防本部総務課(以下「総務課」という。)職員が行う。
(外部機関への委託)
第5条 必要に応じてストレスチェック及び面接指導の一部を外部機関に委託するものとする。
(ストレスチェックの実施者)
第6条 ストレスチェックの実施者は、産業医を実施代表者とし、委託した外部機関(以下「委託先」という。)における看護師を共同実施者とする。
(ストレスチェックの実施事務従事者)
第7条 実施者の指示のもと、ストレスチェックの実施事務従事者として、総務課の事務担当者に、ストレスチェックの実施日程の調整、連絡、調査票の配布、回収等の各種事務処理を担当させる。
2 人事に関して権限を有する者は、これらのストレスチェックに関する個人情報を取り扱う業務に従事しない。
(面接指導の実施者)
第8条 ストレスチェックの結果に基づく面接指導は、産業医が実施する。
(実施時期)
第9条 ストレスチェックは、年1回とし、実施時期は消防長が別に定める。
(受検の方法等)
第10条 対象職員は、専門医療機関に通院中などの特別な事情がない限り、前条で定める時期にストレスチェックを受けるよう努めなければならない。
2 ストレスチェックは、対象職員の健康管理を適切に行い、メンタルヘルス不調を予防する目的で行うものであることから、ストレスチェックにおいて対象職員は自身のストレスの状況をありのままに回答すること。
3 消防本部は、全ての対象職員がストレスチェックを受けるよう、実施期間の開始日後に対象職員の受検の状況を把握し、未受検の対象職員に対して実施事務従事者を通じて文書等により受検の勧奨を行う。
(調査票及び方法)
第11条 ストレスチェックは、国が標準的項目として定める職業性ストレス簡易調査票又は当該調査票を参考に委託先が開発した調査票を用いて行う。
2 ストレスチェックは、紙媒体で行う。
(ストレスの程度の評価方法及び高ストレス者の選定方法)
第12条 ストレスチェックの個人結果の評価は、労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル(厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課産業保健支援室。以下「マニュアル」という。)を参考に委託先が定める方法により行う。
2 高ストレス者の選定は、マニュアルに示されている評価基準の例に基づき実施者が定める。
(ストレスチェック結果の通知方法)
第13条 ストレスチェックの個人結果の通知は、実施者の指示により実施事務従事者が実施者名で、ストレスチェックを受検した対象職員(以下「受検済対象職員」という。)に紙媒体で封筒に封入し配布する。
(セルフケア)
第14条 受検済対象職員は、ストレスチェックの結果並びに結果に記載された実施者による助言及び指導に基づいて、相談窓口の利用等、適切にストレスを軽減するためのセルフケアを行うよう努めなければならない。
(ストレスチェックの受検に要する時間の取扱い)
第15条 ストレスチェックの受検に要する時間は、職務に専念する義務の特例に関する条例(昭和46年長生郡市広域市町村圏組合条例第9号)第2条第2号の規定に基づき、職務に専念する義務を免除する。
(消防本部への結果提供に関する同意の取得方法)
第16条 実施者の指示により実施事務従事者は、ストレスチェックの結果を消防本部に提供することについて同意をするかどうかの意思確認を行う。なお、消防本部への結果提供に同意しない場合にも、面接指導を受ける必要があると実施者が認めた者(以下「要面接者」という。)が医師の面接指導を希望する場合は、面接指導への申出をもって、要面接者とされたことは通知されるものとする。
2 消防本部への結果通知に同意した職員に通知された結果の写しについては、実施者の指示により実施事務従事者が消防本部に提供する。
(面接指導の申出の方法)
第17条 要面接者が医師の面接指導を希望する場合は、結果通知を受け取ってから30日以内に、実施事務従事者に申出なければならない。
2 要面接者から結果通知後日20日以内に面接指導の申出がなされない場合は、実施者の指示により実施事務従事者が実施者名で該当する要面接者に申出の勧奨を行う。また、結果通知から30日を経過する前日(当該日が週休日又は休日の場合は、それ以前の最後の週休日又は休日でない日)に、実施者の指示により実施事務従事者が実施者名で該当する要面接者に最終的な意思確認を行う。なお、実施事務従事者は、電話で該当する要面接者に申出の勧奨又は最終的な意思確認を行う場合は、第三者に要面接者であることが知られることがないよう配慮しなければならない。
(面接指導の実施方法)
第18条 面接指導の実施日時及び場所は、面接指導を実施する医師の指示により実施事務従事者が該当する要面接者に通知する。面接指導の実施日時は、面接指導申出がなされてから30日以内に設定する。また、実施事務従事者は、電話で該当する要面接者に実施日時及び場所を通知する場合は、第三者に要面接者であることが知られることがないよう配慮しなければならない。この場合において、面接指導の実施日時など職務遂行上必要な情報に限定して該当する要面接者の所属長に提供する。
2 通知を受けた要面接者は指定された日時に面接指導を受けるものとし、所属長は、職員が指定された日時に面接指導を受けることができるよう配慮しなければならない。
(面接指導結果に基づく医師の意見聴取方法)
第19条 組合は、面接指導を実施した医師に対して、面接指導結果報告書兼意見書(面接指導結果の記録)により結果の報告及び意見の提出を求める。
(面接指導結果を踏まえた措置の実施方法)
第20条 面接指導の結果、就業上の措置が必要との意見書が面接指導を実施した医師から提出され、人事異動を含めた就業上の措置を実施する場合は、人事担当課長は該当する要面接者に対して、就業上の措置の内容、その理由等について説明を行う。
2 要面接者は、正当な理由がない限り組合が指示する就業上の措置に従わなければならない。
(面接指導を受けるために要する時間の取扱い)
第21条 面接指導を受けるために要する時間は、職務に専念する義務の特例に関する条例第2条第2号の規定に基づき、職務に専念する義務を免除する。
(集計及び分析の方法)
第22条 集団ごとの集計及び分析は、マニュアルに示されている方法を参考に実施者が定める方法により行う。
(集計及び分析の対象集団)
第23条 ストレスチェック結果の集団ごとの集計及び分析は、所属等(以下「所属」という。)の単位で行う。集計及び分析は個人が特定されるおそれのない方法で行うものとする。ただし、10人未満の所属については集計及び分析を行わない。
(集計及び分析結果の利用方法)
第24条 実施者の指示により実施事務従事者は、所属ごとに集計し、及び分析したストレスチェック結果(個人のストレスチェック結果が特定されないものに限る。)を消防本部に提供する。
2 消防本部は、所属ごとに集計し、及び分析された結果に基づき、必要に応じて職場環境の改善のための措置を実施するとともに、必要に応じて集計し、及び分析された結果に基づいて所属長に対して研修を行う。対象職員は、消防本部が行う職場環境の改善のための措置の実施に協力しなければならない。
(ストレスチェック結果の保存)
第25条 ストレスチェック結果の保存は、実施事務従事者が5年間保存する。
2 前項の規定による保存を行うに当たり、組合に保管されているストレスチェック結果が第三者に閲覧されることがないよう、実施事務従事者は責任をもって管理しなければならない。
(消防本部に提供されたストレスチェック結果及び面接指導結果の保存)
第26条 実施事務従事者は、受検済対象職員の同意を得て消防本部に提供されたストレスチェック結果の写し、実施者から提供された集団ごとの集計及び分析結果、面接指導を実施した医師から提供された面接指導結果報告書兼意見書(面接指導結果の記録)を5年間保存する。
2 前項の規定による保存を行うに当たり、第三者に保管されているこれらの資料が閲覧されることがないよう、総務課において責任をもって管理しなければならない。
(ストレスチェック結果の共有範囲)
第27条 同意を得て消防本部に提供されたストレスチェックの結果の写しは、総務課内のみで管理し、他の所属の職員には提供しない。
(面接指導結果の共有範囲)
第28条 面接指導を実施した医師から提供された面接指導結果報告書兼意見書(面接指導結果の記録)は総務課内のみで管理し、そのうち就業上の措置の内容など職務遂行上必要な情報に限定して該当する要面接者の所属長に提供する。
(集団ごとの集計・分析結果の共有範囲)
第29条 実施者から提供された集計及び分析結果は、総務課で管理するとともに、所属ごとの集計及び分析結果については当該所属長に提供する。
2 集団ごとの集計及び分析結果とその結果に基づいて実施した措置の内容は、安全衛生委員会等に報告する。
(健康情報の取扱いの範囲)
第30条 ストレスチェック制度に関して取り扱う受検済対象職員の健康情報のうち、診断名、検査値、具体的な愁訴の内容等のデータや詳細な医学的情報は原則として産業医等が取り扱わなければならず、総務課に関連情報を提供する際には、適切に加工しなければならない。
(情報開示等の手続き)
第31条 対象職員がストレスチェック制度に関して情報の開示等を求める際には、文書により総務課に申し出なければならない。
(苦情申立ての手続き)
第32条 対象職員は、ストレスチェック制度に関する情報の開示等について苦情の申立てを行う際には、文書により総務課に申し出なければならない。
(守秘義務)
第33条 対象職員からの情報開示等又は苦情申立てに対応する総務課職員は、それらの職務を通じて知り得た対象職員の秘密(ストレスチェックの結果その他対象職員の健康情報)を他人に漏らしてはならない。
(消防本部が行わない行為)
第34条 組合は、庁内イントラネット等に本規程及び次の内容を掲示するほか、ストレスチェック制度に関して消防本部が次の行為を行わないことを対象職員に周知する。
(1) ストレスチェック結果に基づき、医師による面接指導の申出を行った要面接者に対して、申出を行ったことを理由として不利益となる取扱いを行うこと。
(2) 同意を得て組合に提供されたストレスチェック結果に基づき、当該結果を理由として不利益となる取扱いを行うこと。
(3) ストレスチェックを受けない対象職員に対して、未受検を理由として不利益となる取扱いを行うこと。
(4) ストレスチェック結果を消防本部に提供することに同意しない要面接者に対して、同意しないことを理由として不利益となる取扱いを行うこと。
(5) 医師による面接指導が必要とされたにもかかわらず、面接指導の申出を行わない要面接者に対して、申出を行わないことを理由として不利益となる取扱いを行うこと。
(6) 就業上の措置を行うに当たって、面接指導を実施した医師から意見を聴取するなど、法等に定められた手順を踏まずに、要面接者に不利益となる取扱いを行うこと。
(7) 面接指導の結果に基づいて就業上の措置を行うに当たって、面接指導を実施した医師の意見とはその内容及び程度が著しく異なる等、医師の意見を勘案し必要と認められる範囲内となっていないもの、要面接者の実情が考慮されていないものなど、法等に定められた要件を満たさない内容で、要面接者に不利益となる取扱いを行うこと。
(8) 面接指導の結果に基づいて、就業上の措置として、次に掲げる措置を行うこと。
ア 解雇すること。
イ 期間を定めて雇用される対象職員について任期の更新をしないこと。
ウ 退職勧奨を行うこと。
エ 不当な動機、目的等をもってなされたと判断されるような配置転換又は職位の変更を命じること。
オ その他の労働関係法令に違反する措置を講じること。
附則
この訓令は、公示の日から施行する。