○長生郡市広域市町村圏組合消防通信規程

平成28年3月30日

訓令第7号

目次

第1章 総則(第1条―第4条)

第2章 消防通信の原則(第5条―第7条)

第3章 災害通報の受報及び動態等の掌握(第8条―第10条)

第4章 有線通信(第11条・第12条)

第5章 無線通信(第13条―第21条)

第6章 支援情報(第22条―第24条)

第7章 管理(第25条―第32条)

第8章 補則(第33条)

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この訓令は、法令その他別に定めるもののほか、火災、救急、救助その他の災害(以下「災害」という。)の対処及びその他消防業務を迅速かつ的確に処理するため、消防通信の運用及び管理について必要な事項を定めるものとする。

(用語の意義)

第2条 この訓令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 共同指令センター 千葉市ほか10市1町8一部事務組合消防指令事務協議会規程(平成23年協議会規程第2号)第2条に規定する、ちば消防共同指令センターをいう。

(2) 指令管制員 共同指令センターにおいて、災害通報の受報、出動指令、通信統制及び情報の収集伝達(以下「指令管制業務」という。)に従事する職員をいう。

(3) 通信勤務員 中央消防署指揮情報係(以下「指揮情報係」という。)、消防署及び分署(以下「消防署等」という。)において、災害通報の受報、出動指令の受令、消防車両の動態の登録又は変更その他の通信業務(以下「通信業務」という。)に従事する職員をいう。

(4) 消防通信 災害時又は消防活動上必要な通信で、次に掲げる通信をいう。

 災害通報 災害が発生し、又は発生のおそれがあると認めるときに、消防通報用電話(電気通信番号規則(平成9年郵政省令第82号)第11条第3号に規定する電気通信番号で、共同指令センターに災害を通報する電話をいう。)、消防署等に設置された一般加入電話及び駆付け等により通報される通信

 指令 共同指令センター又は指揮情報係(以下「共同指令センター等」という。)から発する消防隊(消防器具を装備した消防吏員の一隊をいい、消防ポンプ車隊、救助隊、特殊車隊及び救急隊の総称をいう。以下同じ。)の出動に関し指示命令をする通信

 現場速報 災害活動に従事する消防隊から共同指令センター等へ通報される当該災害の状況、活動内容等に関する通信

 支援情報通信 共同指令センター等から災害活動に従事する消防隊へ災害活動に必要とされる支援情報(災害活動を迅速かつ的確及び安全に遂行するために必要な情報をいう。以下「支援情報」という。)を伝達するための通信

 業務通信 共同指令センター等又は消防署等若しくは消防隊から警察、海上保安庁、市役所、町役場、電力、水道、ガス事業者、鉄道事業者その他の関係機関に対し、災害に関する情報を通報するための通信

 消防情報通信 共同指令センター等から発せられる災害の推移状況、活動内容その他消防活動に必要な情報を通知するための通信

 通常通信 災害以外の消防業務に関し行う通信

(5) 通信指令設備 有線設備、無線設備、電源装置その他情報通信機器で次に掲げる装置をいう。

 署所端末装置 消防署等に設置し、災害の受報、災害情報の収集伝達、消防隊の出動並びにその運用に係る有線及び無線を媒介とした通信を行う装置

 情報共有端末装置 指揮情報係に設置し、災害情報の参照、指令管制員への災害地点特定支援、消防隊情報の表示、病院情報の表示、指令管制システムのデータメンテナンス、共同指令センターの指令台操作訓練等及び消防署等間の連絡事項の送受信を行う装置

 指令情報出力装置 消防署等に設置し、出動指令書の出力、車両情報の設定、指令管制システムのデータメンテナンスを行う装置

 車両運用端末装置 消防隊の車両に設置し、当該車両の動態の登録及び変更、指令の受信、現場速報の送信、地図の表示、支援情報の検索等を行う装置

(6) 無線局 千葉県が千葉県市町村総合事務組合から事務を受託して整備し、及び管理する無線設備及び無線設備の操作を行う者の総体をいう。ただし、受信のみを目的とするものを除く。

(7) 無線従事者 電波法(昭和25年法律第131号。以下「法」という。)第40条第1項第1号から第4号までに規定する資格を有する者で、無線設備の操作に従事する者をいう。

(8) 関係団体 千葉市ほか10市1町8一部事務組合消防指令事務協議会消防通信規程(平成26年協議会規程第2号。以下「共同指令センター通信規程」という。)第1条に規定する関係団体をいう。

(9) 方面 関係団体において、使用周波数ごとに区分した区域をいう。

(10) 主波 関係団体ごとに使用する周波数として指定されたものをいう。

(11) 無線統制 無線通信の混信及び輻輳を防止するため、通信の制限を行うことをいう。

(12) 指揮隊長 現場最高指揮者をいう。

(責務)

第3条 職員は、法令を遵守し、通信指令設備の機能を十分発揮させるよう努めなければならない。

(目的外の使用禁止)

第4条 職員は、通信指令設備及び指令管制業務又は通信業務上知り得た情報を災害活動その他消防業務以外の目的に使用してはならない。

第2章 消防通信の原則

(時刻の表示)

第5条 消防通信に使用する時刻の表示は、24時間制により行うものとする。

(通信順位)

第6条 消防通信の優先順位は、災害に係る緊急かつ重要な通信を優先し、原則として次に掲げる順序によるものとする。

(1) 災害通報

(2) 指令

(3) 現場速報

(4) 支援情報通信

(5) 業務通信

(6) 消防情報通信

(7) 通常通信

(通信勤務員の遵守事項)

第7条 通信勤務員は、通信指令設備の機能に精通し、常に冷静な判断と的確な操作ができるよう努めるとともに、次に掲げる事項を遵守しなければならない。

(1) 通信は、簡潔明瞭を旨とし、暴言、冗語等を交えてはならない。

(2) 通信内容に自己判断による注釈を加え、又はその内容を独断で処理してはならない。

第3章 災害通報の受報及び動態等の掌握

(災害通報の受報)

第8条 通信勤務員は、災害通報を覚知又は受報したときは、災害の種別、場所、規模、傷病者の状況及びその他必要な事項を迅速かつ的確に把握し、直ちに共同指令センターへ通報しなければならない。

2 通信勤務員は、災害通報を受報した場合において、必要に応じ応急手当の協力を要請し、その方法を指導するよう努めるものとする。

(出動部隊編成)

第9条 出動計画表及び消防隊の動態により、指令管制員が災害に出動する消防隊の編成をするものとする。

2 出動部隊編成は、原則として出動計画表によるものとする。ただし、消防長若しくは指揮隊長又は指令管制員が必要と判断した場合には、変更することができる。

(消防隊の動態等の掌握)

第10条 消防署長及び分署長(以下「所属長」という。)は、通信勤務員に消防隊の編成及び動態登録の操作を適切に行わせ、掌握しなければならない。

2 災害活動中又は業務出向中の消防隊の長は、車両故障その他の事由により出動不能となったときは、速やかにその旨を共同指令センターに通報するものとする。当該事由が解消したときも同様とする。

第4章 有線通信

(署所端末装置の取扱い)

第11条 通信勤務員は、次に掲げるところにより署所端末装置を取り扱うものとする。

(1) 呼出応答は、迅速に行わなければならない。

(2) 指令管制員の肉声による指令を受信したときは、直ちに確受操作を行わなければならない。

(3) 指令の内容が不明なときは、受信終了後に確認を行うものとする。ただし、緊急を要するときは、受信中でも緊急呼出を行うことができるものとする。

(情報共有端末装置及び指令情報出力装置の取扱い)

第12条 情報共有端末装置及び指令情報出力装置の取扱いは、別に定める。

第5章 無線通信

(無線通信の運用の原則)

第13条 無線通信の運用は、次に掲げるところにより行うものとする。

(1) 無線通信は、消防通信の目的若しくは通信相手又はその範囲を超えて運用してはならない。

(2) 無線通信は、常に最良の状態に調整し、他局が交信中でないことを確かめてから通信しなければならない。

(3) 前2号に規定するもののほか、無線局の運用については、千葉県消防救急無線管理運営規程(平成25年千葉県消第1715号)及び千葉県消防救急無線管理運営要領(平成25年千葉県消第1715号)によるものとする。

(無線局の開局及び閉局)

第14条 無線局の開局及び閉局は、次に掲げるところにより行うものとする。

(1) 消防系車載型移動局、消防系可搬型移動局及び消防系携帯型移動局(以下「消防系移動局等」という。)は、出動又は出向するときに開局し、帰署したときは閉局しなければならない。

(2) 消防系卓上型固定移動局は、有線回線が災害、故障その他の事由により途絶した場合に備え、職員の在庁中は開局しておかなければならない。

(3) 消防隊は、消防系移動局等を一時閉局するときは、共同指令センターに対して、連絡方法を明らかにしなければならない。

(4) 遠隔制御器は、常時開局しておかなければならない。

(通信状況の監視、聴取及び即応の義務)

第15条 開局中の無線局を運用する者は、常に無線通信の状況を聴取し、呼出しに即応しなければならない。

(主波の指定)

第16条 無線通信は、別に指定する主波を使用するものとする。ただし、共同指令センター等から指示のあったとき、又は通信妨害若しくはその他の事由により主波での通信が困難な場合は、この限りでない。

(主波の切り替え)

第17条 消防隊は、自己の主波として使用している方面以外の方面へ災害出動するときは、移動局等の周波数を当該方面の主波に切り替えて出動しなければならない。

2 消防隊は、隣接応援区域に災害出動するときは、千葉県内隣接応援時における無線運用計画(平成25年千消会第103号)に基づき消防系移動局等の周波数を当該方面の主波に切り替えるものとする。

3 前2項の消防隊は、災害活動が終了し災害現場を離れるときは、自己の方面の主波に切り替えるものとする。

4 消防隊員が携帯して署活系の通信を行う無線局は、第1項の規定にかかわらず、必要に応じて自己の方面の主波を使用できるものとする。

(無線統制及びその解除)

第18条 無線統制及びその解除は、次に掲げるところにより行うものとする。

(1) 指揮隊長は、災害通信状況により必要があると認めるときは、共同指令センターに無線統制を求めることができる。

(2) 指揮隊長は、通信状況及び災害状況の推移により、無線統制の必要がなくなったと認めるときは、速やかに共同指令センターに無線統制の解除を求めなければならない。

(指令管制業務の移行)

第19条 消防長は、通信指令設備の故障又はその他の事由により指令管制業務に支障があると認めるときは、消防本部おいて当該業務を行うことができる。

2 消防長は、前項の規定により、消防本部において指令管制業務を行うときは、行おうとする当該業務の内容を共同指令センターに通報しなければならない。

(無線局の通信要領等)

第20条 無線通信の運用及び通信要領、無線略語その他の無線通信の運用に関し必要な事項は、別に定める。

(通話試験)

第21条 無線通信の通話試験に関し必要な事項は、別に定める。

第6章 支援情報

(気象等の情報)

第22条 通信勤務員は、必要と認めるときは、共同指令センターから提供される気象情報を速やかに警防課及び消防署等へ提供するものとする。

(支援情報の提供)

第23条 通信勤務員は、災害活動の支援に必要な情報を収集したときは、災害活動を適正かつ効率的に行うため共同指令センター及び災害活動に従事する消防隊に提供するものとする。

(支援情報の管理)

第24条 所属長は、定期的に情報共有システムデータの修正及び更新を行い、常に最新の情報として管理しなければならない。

第7章 管理

(警防課長の責務)

第25条 警防課長は、電気通信事業法(昭和59年法律第86号。以下「事業法」という。)及び法の規定に基づく通信指令設備の設置、変更、移設その他運営事務を管理するほか、次に掲げる事項について管理しなければならない。

(1) 事業法及び法の規定に基づく監督

(2) 通信及び通信指令設備の障害の監視

(3) 通信指令設備の保全計画の策定及びこれに基づく障害の未然防止並びに改善、研究及び保守点検整備等

(4) 気象情報に関する事項

(5) 通信勤務員に対する消防通信の運用に関する指導及び研修

(6) 消防通信に関する関係書類の管理

(7) 共同指令センターの運営に関する事項

(8) その他消防長が必要と認める事項

2 警防課長は、通信指令設備の一部又は全部が使用不能となった場合に備え、対応措置を定めておかなければならない。

3 警防課長は、回線障害等により共同指令センターで消防通報用電話を受信できなくなったときは、共同指令センター及び通信事業者と連携し、119番迂回用電話による受報体制を確保するものとする。

(所属長の責務)

第26条 所属長は、次に掲げるところにより、所属に配備された通信指令設備を適正に維持管理しなければならない。

(1) 所属長は、所属職員に通信指令設備を毎日1回以上点検させ、機能の保全に努めるものとする。

(2) 無線装置の点検は、原則として無線従事者に行わせるものとする。

(故障等の報告及び措置)

第27条 所属長は、通信指令設備に故障又は異常が発生したときは、応急処置を講ずるとともに、警防課長及び共同指令センターに修理又は調査を依頼するものとする。

2 所属長は、通信指令設備に重大な損傷又は亡失事故が発生したときは、直ちに必要な処置を講ずるとともに、消防長及び共同指令センターに報告するものとする。

(改修等の連絡)

第28条 警防課長は、通信指令設備に影響を及ぼすおそれのある庁舎の改修、通信指令設備の移設その他の工事を行うときは、事前に共同指令センターに連絡するものとする。

(無線従事者の報告及び選解任)

第29条 警防課長は、職員の無線従事者資格現況を常に把握しておかなければならない。

2 所属長は、無線従事者の資格に関する事項について、次の各号のいずれかに該当するときは、速やかに警防課長に報告しなければならない。

(1) 無線従事者の資格を取得したとき。

(2) 無線従事者の免許を有している職員が退職したとき。

(3) 無線従事者の資格を所有している職員の氏名が変更となったとき。

3 警防課長は、前項の報告を受けたときは、法第51条の規定により選解任の手続を行わなければならない。

(無線従事者の任務)

第30条 無線従事者は、常に無線通信に関する知識及び技能の向上に努めるとともに、無線装置の適正及び効率的な運用を図るものとする。

(無線番号体系の把握及び報告)

第31条 警防課長は、無線番号体系に関する事項について、次の各号のいずれかに該当するときは、速やかに共同指令センターに報告するものとする。

(1) 無線番号体系を追加したとき。

(2) 無線番号体系及び無線局呼出名称を変更又は削除したとき。

(記録の保存及び報告)

第32条 通信勤務員は、通信記録を保存し、必要に応じて警防課長に報告するものとする。

第8章 補則

(補則)

第33条 この訓令に定めるもののほか、消防通信の運用及び管理に関し必要な事項は、消防長が別に定める。

(施行期日)

1 この訓令は、平成28年4月1日から施行する。

(長生郡市広域市町村圏組合消防本部通信規程の廃止)

2 長生郡市広域市町村圏組合消防本部通信規程(平成14年長生郡市広域市町村圏組合訓令第8号)は、廃止する。

長生郡市広域市町村圏組合消防通信規程

平成28年3月30日 訓令第7号

(平成28年4月1日施行)

体系情報
第7類 業/第7章 防/第1節 組織・処務
沿革情報
平成28年3月30日 訓令第7号