○長生郡市広域市町村圏組合ハラスメント防止等に関する規程
平成31年4月1日
訓令第7号
(趣旨)
第1条 この規程は、長生郡市広域市町村圏組合の職員(以下「職員」という。)がその能率を充分に発揮できる良好な職場環境を確保するため、ハラスメントの防止及び排除のための措置並びにハラスメントに起因する問題が生じた場合に適切に対処するための措置に関し、必要な事項を定めるものとする。
(1) ハラスメント セクシュアル・ハラスメント(以下「セクハラ」という。)、パワー・ハラスメント(以下「パワハラ」という。)又はその他職員に対して精神的若しくは身体的な苦痛を与え、又は職員の勤務環境を害する言動をいう。
(2) セクハラ 他の者を不快にさせる職場における性的な言動及び職員が他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動をいう。
(3) パワハラ 職務上の地位、人間関係等職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、職員に対して精神的若しくは身体的な苦痛を与え、又は職員の勤務環境を害する言動をいう。
(4) 苦情相談 ハラスメントに関する苦情の申出、相談又は情報提供をいう。
(5) 苦情相談窓口 事務局、消防本部、水道部及び公立長生病院(以下これらを「各機関」という。)に設置する苦情相談を受理する窓口をいう。
(不利益取扱いの禁止)
第3条 職員は、ハラスメントに対する拒否、苦情相談、調査への協力その他のハラスメントに関する正当な対応をしたことにより、いかなる不利益も受けない。
(職員の責務)
第4条 職員は、ハラスメントに関する次の各号に掲げる事項について十分に認識しなければならない。
(1) 職員は、ハラスメントに関する認識を深め、常に自らの言動に注意するとともに、職場におけるハラスメントの防止及び排除に努めるものとする。
(2) 職員は、他の職員から苦情相談があった場合は、問題解決に向け組織的な対応が講ぜられるよう積極的な助言に努めるものとする。
(3) ハラスメントの防止
ア セクハラに関する事項
(ア) 性に関する言動の受け止め方には個人間や男女間で差があり、セクハラであるか否かについては、相手方の認識が重要であること。
(イ) セクハラであるか否かについて、相手方からいつも意思表示があるとは限らないこと。
(ウ) 相手が拒否し、又は嫌がっていることが分かった場合は、同じ言動を繰り返さないようにすること。
(エ) 勤務時間外における職員間のセクハラについても注意する必要があること。
(オ) 職員がその職務に従事する際に接する部外者との関係においてもセクハラについて注意する必要があること。
イ パワハラに関する事項
(ア) パワハラは、指導を名目に、職員の個人としての尊厳を不当に傷つけ、回復困難な精神的損傷を与えるおそれがあること。
(イ) パワハラの行為者は、パワハラを行っているという自覚のない場合が多いこと。
(ウ) 次に掲げる言動はパワハラに該当する可能性があること。
a 書類を投げつけるなどの身体的な攻撃
b 指導の範囲を超えた言動による精神的な攻撃
c 必要な情報を与えないなどの人間関係からの切り離し
d 業務上の過大又は過小な要求
e 私的なことに過度に立ち入るなどの個の侵害
(エ) 上司等の特定の言動がパワハラに該当する場合であっても、地位、職権その他の職場における立場の違いから、受け手においてそれを明確に指摘し、又は拒否することができない場合が多いこと。
(4) 良好な勤務環境の確保
ア ハラスメントについて問題提起をする職員をいわゆるトラブルメーカーと見たりしないこと。
イ ハラスメントに起因する問題を当事者間の個人的な問題として片付けないこと。
ウ 職場においてハラスメントに起因する問題が生じないようにするために、周囲に対する気配りに努めること。
(5) ハラスメントに起因する問題が生じた場合の対応
ア 一人で我慢しているだけでは問題は解決しないこと。
イ 苦情相談をためらわないこと。
ウ ハラスメントによる被害を受けたと思うときは、被害を深刻化させないために相手に対して明確に意思表示するよう努めるとともに、早期に苦情相談窓口に相談すること。ただし、苦情相談窓口を利用せず、他の方法により相談することを妨げるものではない。
(管理監督者の責務)
第5条 所属長その他職員を管理監督する地位にある者は、次の各号に掲げる事項に留意してハラスメントの防止及び排除に努めるとともに、ハラスメントが現に行われている場合には、その行為を制止し、その状態を解消するなど、必要な措置を講じなければならない。
(1) 日常の執務を通じ、ハラスメントに関して部下職員に注意を喚起し、ハラスメントに関する認識を深めさせる指導等を行うこと。
(2) ハラスメントが職場に生じていないか、又は生じるおそれがないか、部下職員の言動に十分な注意を払い、勤務環境を害する言動を見逃さないようにすること。
(3) 職員から苦情相談があった場合には、真摯かつ迅速に対応するとともに、必要があれば次条に規定する苦情相談窓口と連絡調整を行い対応すること。
(苦情相談窓口の設置)
第6条 各機関の職員の人事を所管する課(以下「人事担当課」という。)に、ハラスメント苦情相談窓口(以下「苦情相談窓口」という。)を設置し、職員からの苦情相談に対応するため、苦情相談を受ける職員として、ハラスメント相談員(以下「相談員」という。)を配置する。
2 相談員は、人事担当課長及び人事担当課長が指名する職員をもって充てるものとし、人事担当課長が指名する職員については、男性、女性のいずれもが含まれるよう努めるものとする。
3 苦情相談窓口は、相談等を受けた場合、公正で客観的な立場から問題の処理及び解決に当たるものとする。
(苦情相談窓口の周知)
第7条 人事担当課長は、苦情相談窓口の受付電話番号その他の情報を職員に周知するとともに、利用しやすい勤務環境の構築に努めるものとする。
(苦情相談)
第8条 苦情相談窓口への苦情相談は次に定めるところによる。
(1) 職員は、本人が所属する機関に設置された苦情相談窓口だけでなく、各機関に設置されたいずれかの苦情相談窓口に対して、面談、文書及び電話により、適時、苦情相談を行うことができる。
(2) 苦情相談は、原則として実名により行うものとするが、匿名による申出の場合であっても行うことができる。
(3) 窓口において面談により苦情相談に対応する場合は、原則として複数の相談員をもって、これに対応するものとする。
(4) 職員は、ハラスメントに関し、適切な助言、あっせん等を必要とするときは、外部に設けられたテレホン相談コーナー等に対しても相談を行うことができる。
(苦情相談の対応)
第9条 相談員は、苦情相談を申し出た職員(以下「申出者」という。)の意向、関係者のプライバシー、名誉その他の人格を尊重した上、当該問題を適切かつ迅速に解決するよう努めるとともに、苦情相談により知り得た秘密を他に漏らしてはならない。
2 相談員は、苦情相談を受理したときは、速やかに「ハラスメント苦情相談報告書」(別記様式)を作成し、人事担当課長に報告しなければならない。ただし、申出者本人の所属する機関以外の相談窓口に苦情相談をした場合にあっては、申出者の了解を得て申出者本人の所属する機関の人事担当課長に報告するものとする。
3 人事担当課長は、前項による報告を受けたときは、申出者と相手の双方の職員に対して公正に事実関係の調査及び確認を行うものとする。ただし、申出の内容がハラスメントに該当しないことが明白である場合はこの限りでない。
4 人事担当課長は、前項による調査及び確認をした結果、申出の内容がハラスメントに該当した場合は、申出者が所属する機関の長に報告しなければならない。ただし、申出者が所属する機関の長等への報告を望まないとき、あるいは、匿名による申出を望むときは、申出者の意向を十分に確認したうえで対応しなければならない。
(対応措置)
第10条 各機関の長は、ハラスメントに起因する問題が生じた場合は、適切に対処しなければならない。
2 各機関の長は、当該機関内においてハラスメントの事実が確認された場合、被害者に対しては、可能な限り最善の救済を与えるように努めるとともに、加害者として判断された職員については、服務規律違反者として必要かつ適正な範囲で懲戒処分を含む措置を講ずるものとする。
(ハラスメント対策委員会の設置)
第11条 ハラスメントに起因する問題に対し適切な措置を行うため、ハラスメント対策委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
(委員会の職務)
第12条 第10条第3項の規定により要請のあった事件について事実関係を調査するとともに、その対応措置を審議し、必要な指導及び助言を行うものとする。
(委員会の組織)
第13条 委員会は、委員長、副委員長及び委員をもって組織する。
2 委員長は事務局総務課長、副委員長は水道部管理課長をもって充てる。
3 委員は、次に掲げる者をもって充てる。
(1) 消防本部総務課長
(2) 公立長生病院事務部総務課長
(3) 事務局総務課長が推薦する職員 2名
(4) 水道部管理課長が推薦する職員 2名
(5) 消防本部総務課長が推薦する職員 2名
(6) 公立長生病院事務部総務課長が推薦する職員 2名
(7) 前4号の推薦に当たっては、男性1名、女性1名の構成とするよう努めるものとする。
4 委員長は、会務を総括し、委員会を代表する。
5 委員長に事故があるとき又は委員長が欠けたときは、副委員長がその職務を代理する。
(会議)
第14条 委員会は、委員長が招集する。
2 委員会は、委員半数以上が出席しなければ会議を開くことができない。
3 委員会の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。
4 委員長、副委員長及び委員は、自己または親族に関係ある事件の会議に参与することができない。ただし、委員会の同意があったときは、会議に出席し発言することができる。
(関係者の出席等)
第15条 委員会は、必要があると認める時は、関係職員を会議に出席させ、意見を求めることができる。
2 委員会は、審議等を行う上で、必要に応じて学識経験者等に意見を求めることができる。
(審議結果の報告)
第16条 委員会は、審議終了後速やかに書面により結果を報告するものとする。また、審議の結果、懲戒処分、配置転換、被害者の不利益回復等の人事管理上の措置が必要であると判断した場合は、その旨を書面により任命権者に報告するものとする。
(庶務)
第17条 委員会の庶務は、事務局総務課において処理する。
(守秘義務)
第18条 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
(再発防止の措置等)
第19条 各機関の長は、再発防止に向けた職員の意識啓発その他の必要な措置を講ずるものとする。
2 各機関の長は、所属の職員に対し、ハラスメント対策の重要性について意識付けを徹底させるとともに、被害の潜在化及び深刻化を防止するための組織的な対応が講ぜられるよう、必要な指導・教育を実施するものとする。
(補則)
第20条 この規程に定めるもののほか、必要な事項は管理者が別に定める。
附則
この訓令は、平成31年4月1日から施行する。